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出崎 亮; 森下 憲雄; 伊藤 久義; 神谷 富裕; 中本 建志*; 木村 誠宏*; 槙田 康博*; 荻津 透*; 大畠 洋克*; 山本 明*
AIP Conference Proceedings 824, p.330 - 334, 2006/03
ポリイミドやガラス繊維強化プラスティック(GFRP)は大強度陽子加速器施設(J-PARC)のニュートリノビームラインにおける超伝導磁石の電気絶縁材や構造材として使用される。これらの有機材料は4Kの極低温、かつ30kGy/yearの高放射線場において電気的・機械的特性を維持しなければならないため、その耐放射線性を評価することが不可欠である。本研究では、これらの有機材料の耐放射線性評価の一環として、液体窒素温度での線照射によって有機材料から発生するガスを分析した。その結果、発生ガスの主成分は水素であり、ニュートリノビームラインの超伝導磁石システム全体における水素発生量は0.37mol/yearであることを明らかにした。このことから、有機材料から発生するガスが超伝導磁石の冷媒である超臨界ヘリウムの精製機に及ぼす影響はほとんど無視できるとの結論を得た。
S.M.Spiessberger*; K.Humer*; H.W.Weber*; E.K.Tschegg*; H.Gerstenberg*; 宇田川 昂
Advances in Cryogenic Engineering Materials, Vol.44, p.191 - 195, 1998/00
種々のGFRP積層板(S-ガラス繊維を双方向に配した補強材を持つエポキシまたはビスマレイミド樹脂)について、77Kのショートビームせん断試験を行うに先立ち、室温で2MeVの電子線並びに室温と5Kで異なる原子炉の放射線を用いて約270MGyの線量域まで照射した。低温照射した後試験片の半数は77Kで試験をする前に室温に戻すアニーリングを行った。積層板の層間せん断強度に対する異なる放射線源、照射温度、アニーリングサイクルに及ぼす影響についてそれぞれの結果を比較し、議論した。
工藤 久明; 貴家 恒男; 瀬口 忠男; 勝村 庸介*
Polymer, 37(21), p.4663 - 4665, 1996/10
被引用回数:21 パーセンタイル:65.04(Polymer Science)高分子材料の照射効果(放射線劣化)のLET依存性を調べるため、ポリメタクリル酸メテル(PMMA)とガラス繊維強化樹脂(GFRP)に、サイクロトロンからの高エネルギー(30, 45MeV)プロトンを照射し、3点曲げ試験、分子量測定、ガラス転移温度測定を行った。曲げ強度, 分子量, ガラス転移温度とも線量とともに低下したが、線量に対する挙動はCo-60ガンマ線に対するものと同じだった。Co-60ガンマ線30MeVプロトンの範囲では、LET効果は見られなかった。
工藤 久明; 笠井 昇; 貴家 恒男; 瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 48(1), p.95 - 100, 1996/00
被引用回数:18 パーセンタイル:80.29(Chemistry, Physical)ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)に77K及び室温でガンマ線照射し、発生ガス分析、分子量測定、ガラス転移温度測定などを行い照射効果の温度依存性を調べるとともに、力学特性が示した温度依存性との対応を調べた。分子量の低下、ガラス転移温度の低下は、77K照射では室温照射に比べ著しく小さくなっており、曲げ強度の温度依存性とよく対応した。ガス発生では、COとCOの発生量が低温で小さくなっていた。低温では分子運動性が小さいためにCOやCOの発生に伴う高分子の切断が少なくなっていると考えられた。
工藤 久明; 笠井 昇; 貴家 恒男; 瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 48(3), p.695 - 696, 1996/00
被引用回数:2 パーセンタイル:24.74(Chemistry, Physical)ガラス繊維強化樹脂(GFRP)及び炭素繊維強化樹脂(CFRP)に77K及び室温でガンマ線照射し、発生ガスを分析した。GFRP、CFRPとも、77Kと室温で水素の発生量は変わらず、COとCOの発生量が低温で非常に小さくなっていた。GFRPとCFRPで比較すると、室温照射ではCFRPの方がガス発生が少なく、繊維による保護効果がみられた。しかし77K照射では、保護効果はあまりみられなかった。
宇田川 昂; 貴家 恒男; 瀬口 忠男
DEI-91-134, p.41 - 47, 1991/12
核融合炉用超電導磁石の絶縁材料として期待されるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の機械特性に対する放射線の影響について、超音波顕微鏡(SAM)による非破壊観察をもとに考察した。本報告は比較的低い温度で硬化可能であり、かつ硬化物は耐熱性と耐放射線性が期待できる常温で液状の4官能エポキシ(テトラグリシジルm-キシレンジアミン)を母材とした硬化剤の異なる2種のGFRPについて調べた。三点曲げ試験による機械特性は、いずれも吸収線量30MGyを越えると低下し、77Kの曲げ強度はさらに低い線量から急激に低下した。無水メチルナジック酸で硬化したGFRPは繊維フィラメントの束と母材層との境界で剥離し、液状ジアミノジフェニルメタンで硬化したGFRPは積層樹脂間で剥離していることがSAM観察から明らかにされた。これらの欠陥は機械特性低下を招く直接的な原因になると解釈した。
宇田川 昂; 瀬口 忠男
EIM-90-121, p.39 - 45, 1990/12
ビスフェノールA系エポキシ樹脂をマトリックスとするGFRPとCFRPの耐放射線性を曲げ強度試験と吸水率試験により評価するとともに、走査型超音波顕微鏡(SAM)により劣化のメカニズムを検討した。劣化開始線量は30~60MGyの範囲にあり、この範囲でVfまたは基材繊維の差異による有意差があった。一方、FRP積層断面のSAM画像は繊維と樹脂の界面剥離、あるいはマトリックスにあるミクロボイド、クラックなどの欠陥に対する非破壊的情報を明確に提供した。その結果GFRPは60MGy以上で界面に剥離を伴い曲げ強度が低下するが、CFRPは界面の接着が良く、Vfが低い場合60MGyまで未照射時の強度を保持することが分かった。また、照射したCFRPは沸騰水に瞬時接触することで熱的衝撃を受け、繊維束と樹脂の境界に沿って大小多数の剥離クラックを生じるため、照射で界面剥離やクラックが発生したGFRPより各線量で煮沸吸水率は高くなることを明らかにした。
宇田川 昂; 江草 茂則; 貴家 恒男; 瀬口 忠男; 小野 利夫*; 川上 和夫*; 大塚 正人*; 山本 泰*; 橋本 修*; 園田 克己*; et al.
JAERI-M 88-047, 27 Pages, 1988/03
電子線照射した5種類のガラス繊維強化プラスチック(GFRP)について、室温および123Kまたは77Kで種々の機械的特性の測定を行なった。